地金の素材感

Post date: 2012/03/26 9:20:55

料理でも、陶磁器でもジュエリーでも、素材感はとても大事だと思う。

味付けされた料理ではなく、素材の味が活きた、素材の味が引き出された料理、

土の魅力が引き出された陶磁器・・・

木目調の家具ではなく、一枚板で作られた家具の方が素敵なように、

素材の魅力を生かしたジュエリーがいいに決まっていると思う。

例えば地金。

ホワイトゴールドは、金の色を消すことはできないので、ロジウムメッキが必要らしい。

表面にロジウムメッキをかけないといけないなら、それならばロジウムで作ったほうがいいのでは?

と思うけれど、そういうものは見たことがない。

イエローゴールドにロジウムメッキかけたホワイトゴールドってのがたまにあるけれど、それはどうかと思う。

出来ればまんまイエローではなく、極力地金を白くした上でロジウムメッキをかけて欲しい。見た目には全くわからないけれど・・・

イエロー&ホワイトゴールドのコンビの製品に、イエローゴールドで製品を作り、イエローの部分はマスキングをして、残りの部分にロジウムメッキをかけて、「ハイ。コンビの出来上がり」なんてものもあるようだ。

・・・コンビというからには、できれば、イエローゴールドと、ホワイトゴールドを組み合わせて作ったものであってほしい。

なぜかというと、それはコンビではなく本質がイエローゴールドとしか思えないから・・・

仕上げに出した時に、プラチナ製品に悪気なくロジウムメッキをかける職人さんも多い。

「プラチナ製品にはロジウムメッキかけないで」と言わないと、仕上げに出すと普通に綺麗にメッキをかけてくださる。

見た目に綺麗なんだけど、素材の魅力が引き出されているかというと疑問は遺る。

地金の素材感をもうすこし大事にしてもいいのではないか??と思う。

そんなこと気にする消費者さんもほぼ皆無だから、素材感よりは、見た目の出来上がりの綺麗さを選ぶのは致し方ないことかもしれないけれど・・・

新品仕上げなんて、呼び方があるように、極力新品に近づけるという考え方もどうかと思う。

本質は、中古なんだから、メッキをかけると、指輪のサイズ直しのロウ付けのあとが消えていいのだけれど、

中古であるという本質を隠しているようでなんか嫌なんだよね。

中古であるという事を隠すために、プラチナの素材感も消えてしまうことに疑問が残る。

隠したってしょうが無いじゃん。本質は中古なんだから。

それも含めて楽しもうよ。って思う。

サイズ直しの痕跡は隠すものではなく、見せておいていいのではないかとも思う。

現時点では、プラチナにロジウムメッキはかけないでと言っていますが、ロウ付けの跡が残る等の場合の、最終的な判断は、職人さんにお任せしている状態。

自分でも、何がいいか、どっちがいいかはっきりと判断つかない状態なので、

「うちはこうしてます。」

ってのは、強く言えないのですが・・・

そもそも、仕上げがなされた状態で仕入れたりもするので、自分ではどうしようもなかったりもしますが・・・

端から見ればどっちでもいいじゃん って事かもしれませんが、そんなことをぼんやり考えてしまいます。